ルドルフ
PL:ナギ/スラム生まれのクズ
- HP
- 1 オーメン1 30s
- 武器・防具
- ナイフ d4、盾、防具なし
- 装備
- 大袋、鋭い針、ロックピック
- 特技
- 下劣な盗人。【存在】【敏捷】の判定はDR−2
RUUMIS/屍神の腹腔
このリプレイは、シナリオの展開と結末をすべて含みます。PLとして遊ぶ予定の方は、読まないことをおすすめします。GMとして遊べるか判断したい方、遊び終えた方向けのプレイ例です。
シナリオ本体は、TALTOで配布しています。
GM・囲みのナギソラテツ……ボイスチャットでの発言(囲みの線は、ナギが実線、ソラが二重線、テツが破線) / キャラ名……キャラクターとしての発言 / 左に縦線のある明朝体……NPCの台詞 / かすれた手書きの文字……死にゆく脳の囁き
枠つきの文字……チャットに出たダイスの結果 / 赤線の段落……本文にないGMの裁定
こんばんは。今日は『RUUMIS/屍神の腹腔』です。腐敗、体液、融解、感染、ゴアの描写があります。きつい時はいつでも止めてください。三人ともMÖRK BORGは初めてなので、必要なところで、その都度ルールを説明しますね。
この世界はもうすぐ終わります。予言された終末が近づいていて、みなさんのキャラクターは英雄ではなく、その終わりかけの世界で銀貨を漁る、ろくでもない連中です。よく死にます。
よく死ぬって、どれくらいですか。
HPが1とか2のキャラクターも、ざらにいます。
1……。
能力値は【筋力】【敏捷】【存在】【耐久】の四つで、それぞれ−3〜+3の修正値になります。判定はd20に修正値を足して、DRという目標値以上なら成功。ふつうはDR12です。オーメンは、一日に数回だけ使える悪運で、振り直しや、受けたダメージを減らすのに使えます。
今日はクラスを使います。クラスは、能力値の振り方や持ち物、特別な力が決まった「生まれ」です。どれも立派なものではありません。まずd6で、どのクラスかを決めます。
ナギ:1d6 > 2(スラム生まれのクズ)ソラ:1d6 > 2(被り)、1(牙を持つ脱走兵)テツ:1d6 > 3(秘教の隠者)
スラム生まれのクズは、腕っぷしがない代わりに、すばしこさと口先が取り柄です。身のこなしや気配の判定が、いつも少し簡単になる。脱走兵は力が強くて噛みつけるけれど、身のこなしの判定が重く、巻物は読めません。隠者は魔術の巻物を一つ持って生まれる代わりに、体が弱い。
(20分後)
スラム生まれのルドルフ。HPダイスで1が出て、HP1。特技は「下劣な盗人」で、スリと錠前破りが得意。盾と鋭い針を持ってる。
脱走兵のヘルガです。HP3。武器の表で10が出て……ツヴァイヘンダーです。中装の鎧と、「ガルゲンベックの薄汚れたシミター」という曲刀も。あと薬箱と縄。
HP3で両手剣。いい。
隠者のコンラート、HP5です。【筋力】が−3……。巻物は聖なる巻物の「幽歩」で、歩く先の罠が見えるそうです。特技は「真理の語り手」。一日二回、誰か一人の次の判定のDRを4下げられます。
巻物は読み上げるのに【存在】でDR12。失敗すると反動で傷を負い、しばらく魔術が使えなくなります。使える回数は、一日に【存在】の修正値+d4回まで。
PL:ナギ/スラム生まれのクズ
PL:ソラ/牙を持つ脱走兵
PL:テツ/秘教の隠者
導入を読みます。
数日前の夜、地の底を這うような地響きが、ガルゲンベック市壁の外から伝わってきた。
朝、壁の外には、巨大な『何か』の死骸が横たわっていた。
落ちてきたところを見た者はいない。這ってきたところを見た者もいない。
あまりに大きい。そして、すでに腐っている。獣の死体というより、昨日まで存在しなかった地形に見える。
皮は鉛色にくすみ、あちこちが裂けている。
裂け目からは腐敗の熱気が立ちのぼり、ハエの羽音が空を埋めつくしている。
都はここ数日、ひどい死臭で眠れていない。双頭のバジリスク派の司祭たちは、この死骸を焼くことに決めた。
火を放つのは、いまより二度目の夜が明けた朝。
あれだけの腐肉を焼くには、まだ薪も油も足りていない。誰も、この死骸の名を知らない。
だが鼻の欠けた隠者が、いにしえの聞き取りにくい言葉でこう呼んだのを、お前たちは聞いた。
『RUUMIS(ルーミス)』
その言葉は、『死体』を意味している。
数日前、ガルゲンベックの酒場に、司祭団の使いだという若い僧が来ました。
司祭長ヘルヴィ様からのご依頼です。二度目の夜が明けるまでに、あの死骸の眼を持ち帰れば、150sお支払いします。我々は、中には入りません。
死骸の、眼。……見てみたいものだ。
中へ入る理由を、もう一つ。d4で。
ナギ:1d4 > 1
あのデカい腐肉が現れてから、毎晩、夢の中でお前たちの一人を呼ぶ声がする。燃えて消えるならいいが、そうとも限らない。声の主を黙らせてやる。……誰にしますか。
コンラートにします。隠者なので、そういうのが聞こえそうです。
……毎晩、名を呼ばれる。行けば、黙るだろう。
外
今朝、死骸の足元です。読み上げます。
近くの住人や雇われたゴロツキたちが薪を積み、油の樽を転がし、司祭団が市壁側の道を封鎖している。地形と見紛う肉塊の前には試しに少し燃やしたのであろう、灰が散らばっている。どうやら生半可な火では焼けないようだ。二度目の夜明けまで、燃料を積めるだけ積む気だ。司祭団は中にまでは入らない。何があっても入らない。適当なごろつきを雇ってあらゆる隙間に薪と油を仕込んでいく。
見た限り、この珍しい死体を当てにした商人や錬金術師なども集まってきているようだ。
どうしますか。
中は暗いと思うんです。誰も明かりを持ってないので……売ってる人はいますか。
裂け目の近くに、屍肉を並べた露店。片目の女が座っています。
三人で行こう。
中へ入るのかい。ここのものはまず私に見せろ。司祭どもは肉の値段を知らん。
松明。三本。
1本1sです。……マルガは松明を渡しながら、声を落とします。
中には琥珀色の粒が転がっていてな。1粒10sで買い取ってやるからたくさん持ってこい……あと、白いものには近づくな。あれは人を溶かしちまう。まあ、仕留められるなら話は別だ。あいつらは琥珀を腹に溜め込んでるしな。そいつから剥いだものも買ってやる。
(にやりとして)琥珀を抱えた白いのか。いい話だ。
マルガはルドルフを上から下まで眺めて、ひどく嫌そうに、琥珀色の粒を一つ押しつけます。
これを噛んどけ。死人からは何も買い取れないからね……いいか、同じものを集めてくるんだ。ツケにしといてやる。
(粒を指でつまんで、光に透かす)……なんだ、これ。食い物か?
噛めば分かる。
毒じゃないだろうな。……隣に錬金術師がいたよな。聞いてみる。
黒い外套に小瓶を提げた男は、粒を一目見て、鼻で笑います。
そいつは、あの中で取れる粒だ。食えば体がちぃと頑丈になるよ。ただ屍の外へ出れば抜けるし、そう何度も効きはせんがね。
頑丈になるなら、HP1のルドルフには丁度いい。噛む。
奥歯で噛み砕くと、はらわたが焼けるように熱くなって、そのあとで力が湧く。ルールで言うと、最大HPが1上がって、HPがd2戻ります。死骸の中にいる間だけで、一人2粒までです。
ナギ:琥珀 1d2 > 2(最大HP2、HP2)
ルームに地図と夜明けカウンターを置きました。中で場所を移るたびに駒を一つ、休んでも一つ。二つ目の髑髏が、火葬の朝です。
創傷
皮の裂け目をくぐると、すぐ先で足元が途切れています。乾いた茶色の崖が、下の暗がりへ落ちている。外の光は、途中までしか届きません。
ヘルガの縄を結べる所はありますか。
裂けた皮の縁が、固く分厚くなっています。……どう降りますか。
一人ずつ。松明を持って。ルドルフが最初に降りて、下を見る。スラム育ちは身軽だ。
縄があるので、降りるのに判定はいりません。……半分ほど降りたところで、下から羽音が湧き上がって、ハエの雲が顔にまとわりつく。目も口も開けていられない。火は、どうしてますか。
松明を口に咥えてる。顔の前で振る。
腰に差して、片手で振ります。
コンラートも、腰に差してます。
火を振ると、ハエは嫌がって散っていきます。三人とも、無事に底へ。
GM:腐敗の徴候 1d6 > 5(構造崩壊)
遠くで、何かが千切れる音。頭上から、濡れた縄のような筋がぼとぼと落ちてくる。……松明の光の端に、人が一人、壁にもたれて座っています。
近づいて照らす。
男の死体です。もう動かない。片方の脚に裂け傷があって、膝から下が、黒いドロドロしたものに浸かったように汚れています。
ルドルフは盗人だ。懐を探る。
銀貨が少し。腰にはナイフ。背中に皮の水筒と、縄。
ナギ:銀貨 2d6 > 9
どうして死んだんでしょう。
傷の周りが黒く腫れて、膿んでいます。殺されたというより、傷が腐って弱ったように見える。……このシナリオには「感染」という状態があって、なると毎日少しずつHPが減っていきます。
メモ。「傷のまま黒いものに浸からない」。……手とか、壁は?
壁に、爪で刻んだ字。「白いものが来る。松明は効かない」。
白いもの。マルガの婆さんが言ってたやつだ。……ナイフはもらっとく。予備だ。
崖の底の先に、赤黒い管が口を開けています。どうしますか。
進みます。
管の入口に着いたところで、夜明けです。夜明けのたびに「終末暦」を振ります。世界の終わりの日に向かって、時々不吉なことが起きる。
GM:終末暦 1d6 > 5(何も起きない)テツ:巻物の回数 1d4 > 3(今日は3回)
今回は何も起きませんでした。……上から縄を伝って、マルガが降りてきました。管の入口に焚き火を起こして、布を広げる。火の明かりが、崖の底と管の入口を照らしています。
血管
管の入口から覗くと、馬車が通れるほど太い。焚き火の明かりは入口のあたりまでで、その先は暗い。……暗がりの奥から、ジュクジュクという音と、男の悲鳴。
静かに進む。
しばらく行くと、蜘蛛の巣のような白い糸が、管を何重にも塞いでいます。足元の窪みには、腰の高さまで黒いドロドロが溜まっている。悲鳴は、糸の向こうからです。
糸は、下までびっしりか?
黒い血の水面すれすれまで垂れています。屈んで血に浸かれば、下をくぐれそうです。
焼いたり切ったりは……。
向こうに何かいる。音を立てたくない。
今は誰も怪我してないので、先客の人みたいにはならないはず。下をくぐります。
三人とも、糸の向こうへ。……読み上げます。
白い塊が、男をねぶり溶かしている。男は奮闘したのか、白い塊の膜には、ナイフが一本突き刺さったままだ。こいつを倒すか、どこかへいなくなるまでやり過ごさなければ先へ進めない。お前たちとこいつの間、柱のような血栓の影に細い副管が口を開けているのが見える。ここに隠れられるかもしれない。先に気付かれていなければだが。
……琥珀を腹に溜め込んでる、ってやつだ。
隠れるか、戦うか……。ツヴァイヘンダーなら、当たれば大きいです。
真理の語り手で、ヘルガさんの一撃を当てやすくできます!
まだ気付かれてないなら、先に仕掛けられないか?
糸を燃やさずにくぐってきたので、白い塊はまだこちらに気付いていません。ただ、こいつは目ではなく、音や振動で獲物を探します。黒い血の中を、音を立てずに寄れるか。全員【敏捷】DR10です。ルドルフはスラム生まれなのでDR8、ヘルガは脱走兵なのでDR12。一人でも失敗すれば気付かれて、どちらが先に動くかをd6で決めます。
やろう。
ナギ:1d20−1 > 13(成功)ソラ:1d20 > 9(失敗)テツ:1d20 > 8(失敗)
ヘルガの鎧が擦れる音と、コンラートの杖が血を叩く音。白い塊が、男を離して振り返ります。……d6を振ります。1〜3なら向こうが先、4〜6ならみなさんが先です。
GM:イニシアチブ 1d6 > 2(敵が先)
戦闘の説明をしますね。MÖRK BORGでは、敵はダイスを振りません。みなさんが攻撃の判定を振って、攻撃されたら防御の判定を振る。どちらもふつうはDR12。鎧は、受けたダメージをダイスの分だけ減らしてくれます。……偽足が、ヘルガへ。中装なので防御はDR14。
ソラ:防御 1d20 > 4(失敗)GM:偽足 1d6 > 3、中装 1d4 > 3(0点)
鎧で、ちょうど止まった……。
みなさんの番です。
(ヘルガの肩に手を置き、耳元で囁く)……膜の、三つ目の皺の下だ。
(大剣を、膜の皺めがけて振り下ろす)
ソラ:ツヴァイヘンダー 1d20 > 9(DR8 命中) 1d10 > 9、膜1(8点)
大剣が白い膜を叩き割って、塊の大半を吹き飛ばしました。白い塊の膜は、ダメージを少し吸ってしまうんです。それでも8点。
ナギ:ナイフ 1d20 > 1(ファンブル)
攻撃で出目1はファンブル。武器が壊れるか、なくなります。ルドルフのナイフは、白い膜に呑まれて消えました。
さっき死体から拾ったナイフを抜く。予備は大事だ。
第2ラウンド。向こうが先です。偽足が、コンラートへ。
テツ:防御 1d20 > 3(失敗)GM:偽足 1d6 > 2(防具なし)
(もう一度、大剣を振りかぶる)
ソラ:ツヴァイヘンダー 1d20 > 12(命中) 1d10 > 8、膜1(7点)
大剣が残りの膜ごと床を叩き割って、白い塊は崩れ、泥になりました。
GM:琥珀 1d4 > 4
泥の中から、琥珀色の粒が四つ。……溶かされていた男は、もう助かりません。
男の荷物を探る。ルドルフは盗人だ。
荷物の残骸から、琥珀がもう一つ。男の上半身は奇跡的に無事で、革の胴着を着ています。
剥ぐ。罪悪感? スラム生まれに、そんなものはない。
ルドルフは軽装の鎧を手に入れました。受けるダメージをd2減らします。
五つか。HPの低い順に噛もう。ルドルフがもう一つ、ヘルガが二つ、コンラートが一つ。一つは売る。
ナギ:琥珀 1d2 > 2(最大HP3、HP3)ソラ:琥珀 1d2 > 1、1(最大HP5、HP5)テツ:琥珀 1d2 > 1(最大HP6、HP4)
白い塊の跡の先で、道は二つに見えます。街道の太い流れは、そのまま奥へ続いている。もう一つ、壁の裂け目の奥に、上へまっすぐそびえる巨大な管。中に血は流れておらず、底に黒い血が溜まっているだけ。内壁には、濡れた革の棚のようなヒダが、等間隔で垂れ下がっています。どうしますか。
管の壁に、耳を当ててみます。
ずっと上の方から、規則正しく、何かを叩くような音が伝わってきます。
上に何かあるな。……登れるか?
ヒダを足場にすれば。【敏捷】DR12です。ヘルガは脱走兵で中装なので、DR16。踏み抜けば、下の黒い血へ真っ逆さまです。
16は無理です……。流れに沿いたいです。
決まりだ。流れに沿う。
頭蓋の要塞
街道の流れが尽きた先は、闇に包まれた広い空間だ。
その闇の中央で、ときおり青白い火花が走る。火花が走るたびに、灰色の丘が二つ、身を寄せ合うように浮かび上がる。表面には深い皺が幾重にも刻まれ、火花はその溝を、思い出したように走っては消える。脈打たない光。
二つの丘のあいだでは、複雑な形をして膨らんだ結び目が一つ、腫れ上がった果実のように明滅している。今にも弾けそうだ。その光の向こう、灰色の丘のさらに奥へ、白い束が一本だけ伸びている。
ここは、神が考え、命じ、夢を見ていた場所だ。残っているのは壊れかけた神経の残響だけ。
それが、お前たちの耳の奥で囁きはじめた。
……こわれている……なおせ……ここも……はらが……すいた……くえ……
コンラート。この声には、聞き覚えがあります。毎晩、夢の中で名を呼んでいた声です。
(杖を握りしめて)……お前か。お前だったのか。
全員【存在】DR12。ルドルフはスラム生まれなのでDR10です。
ナギ:1d20−1 > 6(失敗)ソラ:1d20 > 4(失敗)テツ:1d20 > 8(失敗)
全員……。
くえ。
ルドルフは、いちばん近くのヘルガに、ナイフで切りかかります。
ナギ:ナイフ 1d20 > 5(外れ)
なおせ。なおせ。
ヘルガとコンラートは、丘の皺の裂け目に、自分の体を無理やり押し込もうとする。d4の傷を負って、正気に戻ります。
GM:ヘルガ 1d4 > 2GM:コンラート 1d4 > 2
(皺から肩を引き抜いて)……誰が、何を直すって?
……コンラートがここに来たのは、声の主を黙らせるためなんです。この脳、壊せますか?
丘ほどもある脳が、二つです。スタッフやナイフで壊し切るには、何日もかかるでしょう。……ただ、次の夜明けには、司祭団がこの死骸ごと火を放ちます。
……さっきの「なおせ」で、もう懲りました。HP2ですし。燃やされるなら、火に任せます。
(皺の裂け目から目を逸らして)……燃えろ。私が手を下すまでもない。
「燃えて消えるならいいが、そうとも限らない」、か。
裁定死にゆく脳そのものを壊せるかは本文にない。このGMは、丘ほどの大きさから壊し切れないとし、火葬で焼かれることだけを伝えた。
GM:腐敗の徴候 1d6 > 3(腐敗ガス)
肉の隙間から、湿った音を立てて泡が膨らむ。甘ったるい臭いが広がって、松明の火が青く伸びる。
あの光ってる結び目、近くで見てみたいです。
近づくと、膨らんだ表面を、細い火花が這い回っています。今にも弾けそうで、触れれば、何かがこちらへ流れ込んできそうです。
今はHP2なので、触りません。
出口は、丘の奥へ伸びる白い束だけ。辿っていくと、雷鳴のような音が近づいてきます。
心臓
GM:終末暦 1d6 > 6(何も起きない)テツ:巻物の回数 1d4 > 1(今日は1回)GM:狂信者 1d6+3 > 5GM:弁のカウント 1d3−1 > 2
二度目の夜明け。司祭団が火を放ちました。ここから先は、場所を移るたびに、休んでも、背後から火が迫ります。……読み上げます。
赤黒い断崖に囲まれた大空洞。石灰化した巨大な心臓の弁が、閉じた門のようにそびえている。
弁の前には崩れかけた泥の縁が細く続き、その下に黒いタールの湖が広がる。お前たちが這い出したのは、その縁の端だ。縁の近くは腰ほどの浅さだが、少し先で急に深くなるようだ。湖面のあちこちから、黒く固まった腕が突き出している。
弁の前では、男女が代わるがわる電撃棒を振り下ろしている。その奥で、壺を抱えた司祭が両腕を振り上げた。まるで矢のように、壺から放たれた鋭く青い雷が弁を打つ。
次の瞬間、死体全体が大きく跳ねた。縁の泥が崩れ、湖へ滑り落ちていく。
止めます。全員【敏捷】DR8。ルドルフはDR6。ヘルガは脱走兵で中装なので、DR12です。
ナギ:1d20−1 > 17(成功)ソラ:1d20 > 1(失敗) 転倒 1d2 > 2テツ:1d20 > 13(成功)
ヘルガは崩れた縁ごと、腰までタールの浅瀬へ。2点。
信者の一人が転倒して頭からタールに突っ込み、そのままパニックを起こしたのか逃げ出そうとした。すぐに両脇から腕が伸び、その体を湖のより色の濃い深みへと放り投げる。男はしばらく黒い水面を掻いて、やがて沈んだ。突き出ていた腕が、また一本増えた。
「背を向ける者は菌と同じだ。神の血に還せ!」こいつらは正気を失っている。
電撃棒を持った二人が、こちらに気付いて縁を駆けてきます。残りは弁を殴り続けている。信者たちは処刑に手番を使ったので、最初はみなさんが先です。
ヘルガはHP1です。薬箱を自分に使います。
ソラ:薬箱 1d6 > 4(HP5)
ユルヴァが弁を打ちます。三撃目。また死体が跳ねる。縁の上の二人は判定です。
ナギ:1d20−1 > 3(DR8 失敗) 転倒 1d2 > 1テツ:1d20 > 12(DR10 成功)
ルドルフも、浅瀬へ。……浅瀬のヘルガは、今の揺れで倒れません。タールが脚を固めています。
信者二人が電撃棒を振り下ろす。一人は縁の上のコンラートへ、もう一人は浅瀬のヘルガへ。浅瀬の中は避けにくいので、ヘルガの防御はDR16です。
テツ:防御 1d20 > 1(ファンブル)
防御で出目1はファンブル。受けるダメージが2倍です。電撃棒2点の2倍で、4点。
HP2なので死にます! オーメンで減らします!
テツ:軽減 1d6 > 5(0点)ソラ:防御 1d20 > 7(失敗) 電撃棒 4−中装1=3点
……あいつら、仲間を深い方へ投げてたな。浅瀬の中から、殴ってきた奴を引きずり込めないか。
できます。自分を殴りに来た信者の足首か棒を掴んで、深みへ。【筋力】DR12です。
真理の語り手で、ヘルガさんの引きずり込みを楽にします。
ソラ:引きずり込み 1d20 > 4(DR8 失敗)
4……。
四撃目。縁の上のコンラートは判定です。
テツ:1d20 > 3(失敗) 転倒 1d2 > 2
コンラートが死ぬ。ルドルフの、最後のオーメンで減らす。
ナギ:軽減 1d6 > 4(0点)
コンラートも、崩れた縁ごと浅瀬へ。……信者がルドルフとコンラートに殴りかかる。
ナギ:防御 1d20−1 > 2(DR12 失敗) 電撃棒 4点
HP2に4点……。盾で防げないか?
盾は、ふだんはダメージを1点減らすだけですが、壊す代わりに、一撃を丸ごと止めることもできます。
壊す。
テツ:防御 1d20 > 17(回避)
盾を壊した奴の棒を掴み返して、引きずり込む。
コンラートも、さっき殴ってきた奴の足首を掴みます。【筋力】−3ですけど……。
第3ラウンド ナギ:引きずり込み 1d20 > 13(成功)テツ:引きずり込み 1d20−3 > 20(出目20)
出目20は、どんな判定でも成功です。ルドルフは信者をタールの中へ引きずり倒し、コンラートの細腕に掴まれた信者は、足を滑らせて深みへ転がり落ちました。二人とも、沈みました。
盾の代金だ。
……真理は、時に重さに勝つ。
ユルヴァが壺を、浅瀬のヘルガに向けます。この雷は避けられません。
GM:壺 1d4 > 3、中装 1d4 > 4(0点)
第4ラウンド、五撃目。石灰の殻が割れて、弁が開きます。残った信者が逃げるかどうか、「士気」を振ります。
GM:士気 2d6 > 11(崩れる)
崩れました。信者たちは電撃棒を放り出して、断崖のどこかへ散っていきます。
背後から、焦げた肉の匂いと炎の轟音が近づいてくる。熱気と煙の向こうから、ユルヴァの声が聞こえる。
「見ておられる……感じる……! 神の眼が、我らを見ておられる! この身の罪も、病も、すべてを見ておられる……!」
その声は歓喜とも悲鳴ともつかないまま、迫る炎の唸りにかき消されていく。
神の眼……。コンラートは、ますます見たくなりました。
弁の向こうは、赤黒い管が一本。……振り返ると、心臓の大空洞まで炎が押し寄せています。ここから後ろは、もう全部火の中です。地図の残りを消します。奥から冷たいゲルが流れてきて、熱気を少しだけ和らげている。どうしますか。
ここで休めますか。三人ともHP2です。薬箱も、コンラートさんに使います。
一度だけなら休めます。
ソラ:薬箱 1d6 > 2(コンラート HP4)ナギ:短い休息 1d4 > 3(HP3、上限)ソラ:1d4 > 3(HP5、上限)テツ:1d4 > 4(HP6、上限)
出口
管を抜けます。……読み上げます。
透明なゼリーが腰から胸の高さまで満ちた、静まり返った大空洞。足は底に着くため溺れはしないが、粘りつくゲルに足を取られてまともには走れない。前方の巨大な半透明の膜(角膜)越しに外の光が差し込み、湖全体がぼんやりと白い。中心の窪みに、大盾ほどの大きさのものが液体に半ば埋もれ、その光をギラギラと反射している。水晶体、ルーミスの目だ。
膜の向こうには、外の景色が透けて見えている。この湖は、あの膜一枚で辛うじて保たれているダムなのだ。水晶体から伸びる太い筋が、その膜の縁まで張り詰めている。
……あれが、神の眼。
筋が膜まで張ってる。外せば、膜が破れて外へ出られそうだ。……まっすぐ行く前に、周りに何かいないか見る。
湖の底、ゼリーの奥に、白い塊が一体、じっと沈んでいます。まっすぐ水晶体へ向かっていたら、すぐ脇を通るところでした。
……遠回りします。
白い塊を大きく避けて、水晶体のそばへ。気付かれていません。近くで見ると、水晶体は太い神経の束で、湖の底に縫い止められています。
あの束を外せばいいんだな。切れるのか?
刃物なら、一ラウンドかけて、ラウンドの終わりに切れます。力ずくで引きちぎるなら、【筋力】DR12で一瞬です。
……すぐに取りかかりますか? それとも、もう少し様子を見ますか?
白いのは避けた。火も迫ってる。やろう。
ヘルガが引きちぎってみます。駄目なら、ルドルフさんがナイフで。
このまま、束に手をかけますか?
……はい。白いのは避けられたし、背中が熱いので、急ぎます。
ソラ:引きちぎる 1d20 > 5(失敗)
神経は千切れず、前の膜に亀裂が走ります。……束の根元の脇、大腿骨ほどのひび割れから、錆びた鉤を生やした血の塊が四つ、這い出してきました。
テツ:防御 11(失敗) 鉤2点、粘着テツ:防御 8(失敗) 鉤1点テツ:防御 10(失敗) 鉤4点ソラ:防御 17(回避)
三つ全部コンラートに……! HP6から7点で、死にます。
ヘルガのオーメンで、最後の4点を減らします。
ソラ:軽減 1d6 > 2(2点)
(死体から拾ったナイフを、神経の束に突き立てる)切るぞ。離れるな。
ラウンドの終わり。神経が断ち切れて、角膜が破裂します。……コンラートは鉤に引っかかったまま。【敏捷】DR14。
テツ:1d20 > 4(失敗)
ヘルガは引っかかってないので、コンラートさんを掴みます。
(コンラートの襟首を掴んで、流れに身を投げる)軽いな、あんた。
三人と水晶体は、外の泥地へ吐き出されました。
背後からは、肉の山を包み込む油の爆発音と、猛火の咆哮が轟いている。視界を満たす灰色の空。泥と混ざったゲルから立ち上がると、冷え切った外気がお前たちの身体を包んだ。
外の空気を吸った瞬間、腹の奥の熱が抜けていきます。琥珀の分の最大HPは、ここで元に戻る。ルドルフは最大HP1、ヘルガは3、コンラートは5です。
コンラートが、水晶体を覗きます。ずっと見たかったので。
水晶体を覗くと、自分の手の中が見える。皮膚の下を赤い流れが走っている。
その中で、白いものが壁を叩き、黄色いものが泡立っている。それらには見覚えがある。
お前たちが歩いた赤黒い街道。立ちはだかった白い塊。あらゆるところで見かけた琥珀の粒。
同じものが、お前の体の中にもある。今、この瞬間も動いている。
目を離しても、それは終わらないのだろう。お前はここが何だったのかを知ってしまった。
(震える手で、水晶体を抱え直す)……世界の中に、もう一つの世界がある。
この眼は遺物です。1日1回、【存在】DR12で、見えている生きたものを覗ける。弱点が見えるか、体について一つ質問できる。失敗すればHPをd2失って1時間目を開けられず、ファンブルなら何かが二度と戻らない。……泥地の向こうから、法衣の女が近づいてきます。司祭長ヘルヴィです。
使いの者が依頼した、眼だな。約束の150sだ。
……コンラートは、渡したくないです。
ルドルフは金がいい。30sしか持ってないんだ。
(水晶体を胸に抱えたまま、黙って一歩下がる)
そのためらいを見ていたのか、灰の待合にいた、小瓶を提げた男が寄ってきます。
司祭に渡さないなら、私がもう少し色を付けて引き取ろうかね? ……160sでどうだい。
(コンラートの肩を叩いて)ほら見ろ、上がったぞ。
売らない。どちらにも。
(舌打ちして、背を向けながら)好きにしろ。どうせ数日で、ただの濁ったガラス玉だ。
数日で濁る……?
数日か。どうせ世界の方が先に終わるかもしれない。持っていたいなら、持ってりゃいい。……ルドルフは、琥珀の残りを売って我慢する。
ありがとうございます。濁るまで、毎日覗きます。
(腕を組んだまま、コンラートの抱えた眼を見下ろして)……そうか。
裁定PCが錬金術師の申し出を断り、ヘルヴィにも渡さず手元に置いた場合の、ヘルヴィの反応は本文にない。このGMはその場では何も起こさず、後日の火種として残した。
(煤だらけの顔で)全員生きてるね。ツケの30sはもらうよ。……残りの琥珀は一粒かい。10s。
(30sを払って、10sを受け取る)……差し引き、マイナス20。
シナリオはここまでです。お疲れさまでした。
ガルゲンベックの空には、まだルーミスを焼く煙が昇っている。安宿の窓辺で、コンラートは毎朝、水晶体で通りを覗いた。三日目の朝、眼は白く濁った。四日目の朝、コンラートはその濁った眼を枕元に置いたまま、少しだけ長く眠った。夢の中の声は、もう名を呼ばなかった。ただ遠くで、何かを噛む音だけが続いていた。
| PC | HP | 結果 |
|---|---|---|
| ルドルフ(ナギ) | 1/1 | 生還。盾を犠牲に電撃棒を止め、盾を壊した信者を沈めた。最後のオーメンはコンラートのために使った。視神経を切った |
| ヘルガ(ソラ) | 3/3 | 生還。ツヴァイヘンダーの二振りで白い塊を倒し、薬箱で仲間を支え、鉤に捕まったコンラートを引きずり出した |
| コンラート(テツ) | 1/5 | 生還。真理の語り手で仲間を助け、出目20で信者を沈めた。水晶体を誰にも渡さなかった |
結果水晶体は手元に置いた(ヘルヴィにも錬金術師にも渡さず)。マルガへのツケ30sを返済、琥珀1粒を10sで売却。死者0。
お疲れさまでした。初めてのMÖRK BORG、どうでしたか。
夢の声が脳の声だったの、ぞっとしました。脳で全員声にやられたのも、怖かったです。あと出目20で筋力−3の隠者が信者を引きずり込んだの、最高でした。
オーメンが、ほとんど仲間のために消えていきました。自分のために使ったのは一回もなかったかも。
眼は金にしたかったが、コンラートの「売らない」を聞いたら、まあいいかと思えた。世界が終わる前に、見たいものを見るのも悪くない。
ヘルヴィの「そうか」は、覚えておきます。
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リプレイ おわり